秋田 健太郎 代表（HAIR MAKE liapt（ヘアメイクリアプト）)のインタビュー

お客様の感謝を胸に

正直なところ、「カッコいい」というのが美容師を目指したきっかけでした。おしゃれが好きでしたから、好きな格好で仕事がしたいし、髪も自由にしたいじゃないですか。加えて言うなら、昔から愛想は良いほうでしたから、それが向いてるんじゃないかと思ったわけです。

専門学校を卒業後、大手ヘアサロンに約25年勤務してきました。まだ美容師になりたての頃は「原宿に行きたい」と思っていたこともありましたけど（笑）、気がつけば色々な仕事を任されるようになり、そんな気すら起こらなくなっていました。来日したベトナムや台湾の方に技術を教えたり、中国にカットを教えに行ったり、それはある程度の規模の会社組織だからこそできることであって、非常に得難い経験をしたと思っています。そのサロンの会長が常日頃言っていたことがあるんです。「人からお金をいただいているのに、『ありがとう』と言ってもらえる職業ってなかなかないんだぞ」と。本当にそうですよね。お客様に感謝していただけるのは本当にありがたいことでうれしいことですし、それは美容師になって25年が経過した今も変わることはありません。

ゆったりと寛いでいただけるように

店内は白を基調とし、オシャレすぎないといいますか、あらゆる世代が構えず入ってこれる造りを意識しました。パーテーションを設置してパーソナルスペースを確保しつつ、席と席の間隔も広くとり、全体としてゆったりとした感じになっているかと思います。

特にこだわったのがシャンプーブースです。シャンプー台そのものもフラットタイプで、長時間転がっていても首が痛くならないような仕様になっています。シャンプーの間、ずっとお眠りになっている方もおられますよ。将来的にはフロアとは別の音楽を流し、さらにゆったりと寛いでいただけるような空間にしていきたいですね。

縁やつながりを大事に、向上心を忘れず

お客様は4、50代の方が多く、70代、80代の方も少なくありません。髪は年齢と共に変化していきますが、髪の毛に極力負担をかけないことを基本に、一回りとはいかないまでも、5、6歳は若く見えるようにということを意識しています。白髪染めも、ただ単に染めるのではなく、ハイライトを入れてみたり、オシャレに見えるスタイルがこだわりです。昨今は「脱白髪染め」が一種の流行になっています。もちろんそれは素晴らしいんですけども、実際には80代になられてからそうされるお客様が多いように思います。ですから、その下準備をしていきましょう、というお話をお客様にはしています。例えば、普通に白髪染めをするとどうしても暗くなってしまいますから、少しずつ少しずつ明るくしていって、いつのまにかカラーがいらなくなり、「いい色だね」と周囲の人が思えるようなゆるやかなシフトチェンジが理想でしょうか。

長い方ですと、もう22、3年、通われているお客様もいらっしゃいます。それこそ、私がシャンプーしかしていなかった頃からのお客様で、本当にありがたい限りです。店名にある「liapt」とは、「Lien」（縁やつながり）と「Adept」（達人や名人）という2つの言葉を合わせたもの。お客様をはじめ様々な人との縁で今の私があると思っていますし、その方々のご好意に報えるよう、これからも精進を重ねてまいります。

少しでも髪に良いものを

少しでも髪に良いものをと考え、オーガニックのカラー剤も使用しています。オーガニックのカラー剤は、カラー剤特有の匂いがほとんどありません。通常、カラーをしている時は下から上がってくる匂いでむせてしまうのですが、それがほとんどないんですね。極力髪に負担をかけないというこだわりが行き着いた先に提供しているのが、酸素シャンプーです。一般的なカラー剤には染みる成分が必ず入っているものなのですが、酸素シャンプーはその成分を除去できます。結果、施術中の匂いもなくなるわけです。最近はホームページなどをご覧になり、「髪に良いものを使いたい」と問い合わせてくるお客様も増えてきました。健康できれいな髪でお帰りになっていただけるよう、これからも良いものを積極的に取り入れていきたいと考えています。

地域のみなさんへメッセージ

「ヘアスタイルを変えたいけど、どうしたらいいかわからない」。そうしたお悩みを持つ方は少なくないと思いますが、どうぞお気軽にご相談ください。何か1つヒントをいただければ、これまで培ってきた経験と知識をもとに様々な提案ができると考えています。例えば、前髪を作るとか、分け目のないスタイルにしたいとか、なんでも結構です。そのヒントから組み立てていき、あなたの理想のスタイルを一緒に作っていきましょう。

私自身、意識してなかったことですけども、最近初めてのお客様から「話しやすい」と言われることが立て続けにありました。よくよく考えてみれば、それは美容師として私の最大の長所なのだと思います。なんでもお気軽にご相談いただきたいですね。

※上記記事は2022年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。