山本 尚(センター南 やまもと矯正歯科)のインタビュー

センター南 やまもと矯正歯科 山本 尚

センター南 やまもと矯正歯科 山本 尚 SHO YAMAMOTO

大学卒業後、矯正歯科を専門に研鑽を積む。2016年、横浜市都筑区に開業。

矯正歯科を志されたきっかけと、開業までの経緯について教えてください。

実はわたし自身が3歳で不正咬合を指摘され、5-12歳まで治療を経験しました。こうしたことから、歯の噛み合わせには子供の頃から関心を抱いていました。父が歯科医師だったことも、大きな影響があったかもしれません。手先が器用と言われ「もの作り」が好きでしたので、機械工学に進みエンジニアになる道にも憧れていましたが、最終的に歯学部を受験しました。進学後の専攻は迷わず矯正を選びました。入学した当初から5年生の矯正実習の時間が来るのを心待ちにしていましたが、やはり楽しくて次第に大学院に進みたい気持ちが強くなり1年の研修医期間を経た後は大学院に進み、矯正について4年間研究に勤しむ毎日でした。特に歯を動かす際、力を入れて圧迫される歯根膜とけん引されてる歯根膜の組織の差異について探求しました。大学院で学んだことはその後の診療にも活かすことができましたので、大変充実した時間を過ごすことができました。その後は矯正専門の歯科医院で7年修行し2016年2月に開院することになりました。
開業地としてこちらを選んだ理由は、子育て世代と健康に関心の高い方々が多く住んでいらっしゃることです。勤務医時代に東京都の歯科医師会に入って学校医を拝命され小学生の歯科指導をしていたことがあるのですが、こうした試みが奏功してその学校は歯の健康の優良校に選ばれたことがありました。その経験を活かし、地域に根差した歯科医師としてお子さんの歯の健康を見守っていきたいと考えています。

診療方針について詳しくお聞かせください。

矯正歯科の目的は、形態(見ため)だけではなく患者さんの口腔内で安定する歯列・咬合を確立することです。口腔周囲筋や歯の状態はそれぞれ異なりますから、おひとりずつ口の中を拝見して歯の傾き、上下のあごの噛み合わせなどの細かい分析を行い、正しい噛み合わせへ導きます。歯並びが悪いと虫歯や歯周病に罹患しやすく結果的には全身の健康に影響が出ることがあります。こういったことを丁寧にお伝えしていきたいですね。
歯並びや噛み合わせは日頃の癖で簡単に崩れていきます。例えば舌の動きや口呼吸などちょっとしたことでも、歯の配列には大きな影響を及ぼします。すなわち整ったところで「終わり」とお考えの方も多いのですが、実はそこが「ゴール」ではありません。そこで、定期的なメンテナンスを行い患者さんひとりひとりの歯の健康を見守っていくのが当院の方針です。

唾液やプラークを採取し、これを顕微鏡でお見せする「リスク・コントロール」も重要だと考えています。口の中に虫歯や歯周病の原因となっている菌がどの程度存在しているか調べたりします。歯磨き指導の際染め出しをして「汚れていますよ」とお話しても、ピンと来ない方もいらっしゃいます。しかしこのプラークがキッチンの三角コーナーについている「ぬめり(バイオフィルム)」と同じであることをお話しすると、途端に目の色が変わってきます。そのようなものを口の中に残しておきたくないですよね。当然歯磨きのモチベーションが変わってきます。歯ブラシだけで取り除けるものには限りがありますので、歯間ブラシ・糸ようじの指導もさせていただきます。

先生は大人の矯正治療も積極的に勧めていらっしゃいます。詳しくお聞かせください。

時折、「わたしは年を取っているから、矯正をするには遅いのではないのでしょうか?」「子供のとき行った矯正治療は経済的な事情で最後まで完結できませんでした。今更無理ですよね?」といったお話をお聞きします。私は既にあきらめてしまっている方に歯周組織が健全なら歯並びは治せます。とお伝えしています。そして噛む機能に問題があるなら、治す必要はあるのです。気になっているけどどうしてよいかわからない...そう思っている方々に是非当院のドアを叩いていただきたいですね。年齢を重ねていきますと、歯を支える歯周組織は衰えていきます。すると噛む力に耐えられなくなり、噛み合わせが深くなり、最終的には歯並びに悪影響を及ぼします。ですので、大人にも矯正治療が必要な方は大勢いらっしゃるのです。

矯正治療には費用的な負担も大きいのですが、敷居を下げる取り組みもされているそうですね。

お子さんの場合は特に、治療の「間口」を広げたいと考えています。そこで、治療費の上限を設定することにしました。段階に応じて装置を変えていくと費用がいくらになるか不安に思われるはずです。そこであらかじめ「費用はいくらまで」と設定します。
患者さんによって治療の「ゴール」のイメージは異なりますから、途中でやめる方、その先まで続ける方などさまざまです。そこで治療を中断するリスク・完結するメリットなどをお伝えしながら、押し付けにならないよう綿密な話し合いをしながらゴールを決めていきます。

またお子さんの場合、口の中の状態は同じでも遺伝的な要素が関連するか否かで治療の期間が異なってきます。背景までをきちんと分析したうえで丁寧に拝見していかないと治療は完結しないため、注意が必要です。大人の患者さんの場合もお話をじっくり伺いながらご要望をかなえていきたいと思います。

診察で心がけていることと、地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

当たり前のことではありますが、やはりおひとりずつ丁寧に話し合いを重ねていくことに尽きます。また先ほどお話した通り、唾液やプラークなどからリスクを調べ、お口の中を徹底的にクリーニングしてお帰りいただきます。それには診療時間を多くお取りします。
みなさまには、地域に根差した医療をご提供すべくさまざまな試みを検討しています。まずは「指定自立支援医療機関」の認定を申請し、47の先天異常に対して保険診療を行っていく所存です。困っていらっしゃる方の力になりたいのです。また見落とされがちな生活習慣をきちんと問診し、不正咬合や顎関節症のリスクを取り除くこともわたしの役割だと考えています。

※上記記事は2016.03に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

センター南 やまもと矯正歯科 山本 尚

センター南 やまもと矯正歯科山本 尚 SHO YAMAMOTO

センター南 やまもと矯正歯科 山本 尚 SHO YAMAMOTO

  • 出身地: 東京都
  • 趣味・特技: 子供と遊ぶこと
  • 好きな本・愛読書: 雑誌『Tarzan』(1986年創刊、集英社、隔週刊)
  • 好きな映画: バックトゥザフューチャー、トイストーリー、ファインディングニモ
  • 好きな言葉・座右の銘: 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
  • 好きな音楽・アーティスト: クラシック、ジャズ、ボサノバ
  • 好きな場所・観光地: ベネチア

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