たまプラーザどうぶつクリニック 井上 英樹 院長 HIDEKI INOUE
大学卒業後、勤務医として幅広い症例に携わり、スキルを磨く。分院を任さされる形で「たまプラーザ駅」そばに開業。2015年に移転し、現在に至る。
大学卒業後、勤務医として幅広い症例に携わり、スキルを磨く。分院を任さされる形で「たまプラーザ駅」そばに開業。2015年に移転し、現在に至る。
子どもの頃から医療にとても興味を持っていました。お年玉をもらいますよね。私はそれで、『家庭の医学』なんていうものを買ってしまう(苦笑)。小学生ですから、漢字も読めたり読めなかったりで、書かれてあることはほとんど理解出来ないのですけど、持ってるだけで満足というところがあったのです。不思議ですよね、なぜそうなってしまったのか、自分でもわからないところなのですが(笑)。それから、高校生の時にヨークシャーテリアを飼い始めました。その子の存在により、医療と動物とが結びつき、自ずと今の道に決まっていったというところかと思います。
日本大学獣医学科を卒業後は、東京大学農学部獣医学科の内科学研究生となりました。やはり初めに学ぶものが最も身体に染み付くと思っていましたから、最も学識の高い場所で学ぶことを望んだのです。実際の治療の中身もしかりですが、そこで知り合った先生達の輪というものが今の私を助けてくれています。それは本当にかけがえのないものですね。
当クリニックは、『井本動物病院』の分院という位置づけになります。私はこれ以前、『井本動物病院』で13年間勤務しました。患者さんが増えるに従い、もう1軒、クリニックが必要ということになり、私が新しいクリニックを任されることになったのです。当初は駅の反対側で開業し、2015年の1月にこちらに場所を移したということになります(東急田園都市線・たまプラーザ駅より徒歩3分)。
お互いの病院でカルテをやりとりすることが可能です。たまプラーザ駅が最寄りでしたら、こちらに立ち寄っていただいて、「予防薬や毎日服用のお薬、フードやサプリメントをもらいたい」ということも出来ますし、柔軟にご利用いただければと思います。診察に関しましても、レントゲンは『井本動物病院』での撮影となり、超音波でより詳細な診察が必要な時は当クリニックで対処するという形となっています。「好き」と言いますと語弊があるのかもしれませんが、私は超音波検査を昔から好んでいます。その理由としては、超音波検査は身体への侵襲が非常に少ない検査であり、それでありながら重要な情報を多く得られるという利点があるからです。
現在の水準では消化器を診ることも可能ですし、おなかの中の血管の分岐やリンパ節の大きさも確認することが出来ます。それに加え、今は超音波で中を観察しながら、細い針を通し、組織の一部をとるという作業を行えるようになっています。昔であれば開腹せざるをえなかったものを、侵襲の少ない方法で情報を得られるのは、動物たちへの負担を考えても非常に有用なものです。
この検査は、非常にテクニックが問われる部分があります。超音波を当てれば確かに中が見えるのですけども、力の入れ具合や角度によってまったく見え方が変わってしまうのです。その技術をさらに高めるため、私たちは日々努力をしています。
Dog DOCやCat DOCには、病気の有無をチェックすると同時に、健康な時のデータをとっておくという目的があります。実は正常な値というのは、すごく幅があるものなのです。その子その子の幅をこちらが把握しておけば、何かあった時に比較する際に参考になります。また、毎年検査にいらしていただけていると1年毎の変化というものが明らかになってきますので、それを元に予防的に食事の内容を変えていただいたり、具合が悪くなるのを防ぐことにつながってきます。クリニックでは、お誕生日月などに検査の費用をお安くするサービスもさせていただいておりますので、どうぞお気軽にご利用ください。
今回のリニューアルに伴い、犬が遊べる場所として「ドックガーデン」を作りました。入り口は一緒ですが、診察室に入ることなく遊んで帰っていただくということが可能になっています。健康なときから病院に来てもらえるという形。いつも行っている場所として認識してもらうことで、動物たちに安心感を与えることが出来れば緊張のない正常時と変わらない身体検査所見がえられます。その様な方向性をさらに高めていきたいですね。
様々ありますが、飼い主の方と私の間に壁を作らない事でしょう。これは飼い主の方に対してだけではなく、そのやり取りを診察台の上で見ている犬にとっても、自分のリーダーと自然な形で接している事を認識させる事にもなります。つまり動物に安心感を与える手段です。ですが診察台の上で行っていることはそれだけではなく、動物に触れる時の指先の力や目線などで、さりげなくこちらが上位に立つようにします。飼い主の方にどうして先生の言う事はよく聞くのか、と質問されますが、そのような事をこっそりと行っているんです。
本来は医療に私情を挟むことは好ましくないことでしょうけども、私はあえて公私混合するようにしています。
例えば難病治療の治療方法がいくつもあり、その中には副作用は強いが一番期待できる、またはその逆で効果はそれほど期待できなくてもストレスのない治療法もあるわけです。
そんな時に自分の動物ならどうするか自問自答し、飼い主の方の参考にしていただくこともあります。
最後に決めて頂くのは飼い主の方ということになりますが、その方の身になって考えるという私の姿勢がお役に立てるのではないかと考えています。
治療内容、病気の予防や躾について、飼い主の方とゆっくり話し合いが出来るように予約診療を行っています。調子の悪い動物はなるべくお待たせしないように救急対応しますのでご連絡下さい。当院はトリミングも行っていますが、私はトリミングを美容だけのものと考えておらず、言って見れば0次診療とも捉えています。1次診療を担う我々の前にトリマーに注意してみてもらう事で、病気の兆候を早く発見できるようにしていきたいのです。診療については日々進歩する獣医療を取り入れています。どうぞご相談下さい。
診察以外の時にも気軽に立ち寄れる病院が理想的だと思っていますので、時にはドッグガーデンで私も診察の合間に一緒に遊んじゃいます!
※上記記事は2015.6に取材したものです。
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