田中 純也 院長（かもい女性総合クリニック)のインタビュー

この道に入るきっかけと、これまでの経緯についてお聞かせください。

ある大学に通っていたのですが、ある時、知人から「医者に向いているよ」と勧められました。その時路線を変え医大進学を決めました。長く産科医を務め、いくつかの病院勤務を経験しました。産科医を選んだのは、お産に興味があったからです。お産は明るくて希望があるでしょ。赤ちゃんを取り上げることって。
勤務はハードでしたよ。夜中だろうが、早朝だろうが、いつ産まれるかわからない。赤ちゃんは都合を考えてくれません。ずっと病院に詰めていることもしょっちゅうでしたが、僕はもともと宵っ張り体質だから平気でした。安産ばかりとは限らなくて、一刻を争う帝王切開もやりました。
妊婦さんを中心に多くの患者さんに接しているうち、女性は本当に様々な症状や悩みを抱えているものだと実感し、女性対象の総合クリニックに関心を持ちました。そして、前任者から後を託されるような形で、このクリニックの院長に就任したのです。

『かもい女性総合クリニック』の特徴と治療方針をお聞かせください。

患者さんはだいたい、婦人科五割、皮膚科三割、美容皮膚科二割といった感じですね。でも一概に病気と片づけられない症状や、更年期障害といったものが多いですから、とにかく体に不調を感じたら来てみてください、というのがクリニックの方針です。ららぽーと横浜での買い物ついでに寄ってみようと思っていただける敷居を低くしています。そういう、「とりあえず的な」ところでいいと思っているんです。だから、あえて専門をうたうのではなく、総合クリニックにこだわっています。歯が痛ければ歯科に行く、目が悪ければ眼科へ行く、しかし、どこに行けばいいかわからない症状の人もたくさんいます。そうした場合まずうちに来て見て下さい。
言ってみれば、女性のお悩み相談所のようなものですね。どんな症状も診て差し上げます。恋愛とお金以外のことなら（笑）。

診療の際に注意されているのはどんなことですか？

痛みも悩みも人によって違いますから、問診には時間をかけます。それで、思いもかけないことがわかったりもします。以前、眉毛の脇にあるホクロが気になっていらした方にいろいろお話をうかがっていたら、時々、子宮から出血があるとおっしゃるんです。僕が、「ガンの検査はしてますか？」と聞いたところ、してないと言う。それですぐウチで検査してみると、子宮にポリープが見つかったのでその場で切除しました。その患者さんは、ホクロを取りに来て、ポリープを取っていかれたというわけです。
更年期障害の方などは、話を聞いて差し上げることが何よりの特効薬だったというケースもありますね。ご主人にも言えない、お子さんたちは聞いてくれない……。相当お辛かったんでしょうね。ボロボロ涙を流しながら話されて、最後はスッキリして帰って行かれました。

今後、取り組んでいきたいことはなんでしょうか？

新しい技術や療法をどんどん取り入れていきたいですね。美容の分野などでは、そうすることが高額の治療費に直結する場合もありますが、僕の考えはその逆です。新しい技術を導入したところ、患者さんから「お財布にもやさしくなった」と言ってもらえるようなものを常に考えています。療法で言うと、例えばピルの有効活用ですね。一般的にピルは避妊目的か、生理をずらすためのものと思われていますが、違うんです。ピルと一口に言っても、10種類以上はあって、それぞれ効能は異なるんです。それを正しく使うことで生理痛が軽くなる。生理痛が和らげばイライラも解消して働きやすくなる。生理がなくなるわけでも決してない。そういうことを僕はきちんと指導していきたいと思っています。
それと、ここ何年も漢方を集中的に研究して、毎年毎年、学界でも発表しています。漢方も種類が多くて難しいんですが、やはり正しく処方すると効きます。漢方はこれまで以上に治療に取り入れたいし、患者さんにきちんと効能を教えてあげたいですね。

最後に、地域の皆様にメッセージをお願いします。

産科ということではやっていないんですが、誰に聞いたのか、僕が産科医の実績があるというので、妊婦健診の方がたくさんいるんです。最近は、分娩は別の病院でするけれど、出産前の健診は近くのかかりつけ医でというケースも増えています。事実ウチも分娩の病院とはネットワークを築いていますので、妊婦健診を希望される方も安心して来てください。 それと、婦人科以外は男性もOKですから、仕事のストレスで皮膚にトラブルが生じたなどという時には、気分転換も兼ねて、どうぞ、お気軽に寄ってみてください。
※上記記事は2014.8に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。