林医院 林 毅 院長

林医院 林 毅 院長 TAKESHI HAYASHI

聖マリアンナ医科大学を卒業後、消化器内科を中心に研鑽を積む。2003年、都筑区勝田町に開業。

この道を志したきっかけをお聞かせください。

『漂流教室』というマンガをご存知ですか?私が小学校5年生から6年生の頃に読んでいた梅図かずおさんの作品なのですが、主人公の少年が通う小学校が、ある日突然荒廃した未来の世界にタイムスリップしてしまい、そこで襲いかかる幾多の困難を子ども達が乗り越えていくというお話です。その登場人物の1人にお父さんがお医者さんという子どもがいるのですが、未来の世界で流行ったペストを彼の助言によって克服するという場面があるんです。
シーンの最後にはリスが出てきます。女の子達は「みんなの癒しにもなるから飼おう」と言い出すのですが、そこでお医者さんをお父さんに持つ子どもが「飼っちゃダメだ。リスを殺さないといけない。そのリスがペストを蔓延させた可能性がある」と毅然として言うんです。
私は父が皮膚科の開業医で、言ってみればその子と同じ環境にありました。周囲からは「林君は医者になるんだよね」と言われてはいましたが、私自身にはそれまで医者になろうと意識したことはなかったんです。
最初はカエルの解剖も出来なかったような頼りない少年が、いつの間にか皆の安全を考えて毅然と意見を述べるようになっている。お医者さんだからこその発想ってあるんだなと。もちろん、彼は医師ではなくお医者さんの子どもだったのですが(笑)。医師の職業の意義というものを初めて自分が意識したときでしたね。

しかし、そのまま医師を志して真直ぐにというわけではなくて(苦笑)。中学生の頃は真剣に漫画家になるつもりでマンガばかり描いていました(笑)。16ページからなる短編を作って新人賞に応募したり、高校を出たらプロダクションに所属して修行をするんだと考えていた時期もありました。
ただ、高校生くらいになると段々現実の厳しさがわかってきます。自分で言うのもの何ですが、絵はそこそこ描けていたのですけど、ストーリーを作るということに限界を感じていたんですね。
父に「どうするつもりだ?」と聞かれたのは、私自身、漫画家になるのは並大抵のことではないぞと思い始めていたときです。さらに父からは「学校の勉強も出来ないのに、漫画家になんてなれると思ってるのか。悔しかったら医学部に受かってみろ」と言われました。その時は手塚治虫さんのようなケースもありますから、よしっと思って医学部を受験しました。今から考えると上手く父に誘導されたとも言えますが・・・(笑)。

医師として、心掛けていることをお聞かせください。

2003年に聖マリアンナ医科大学を退職し、林医院を開院致しました。1967年からこの地で開業されていた『浜崎外科胃腸科医院』の院長先生が退職されることになり、縁あって私が医院を引き継がせていただくことになりました。大学病院に長く勤めると、医局長など色々な役職に付く必要もでてきます。診療以外の業務に時間を割くことも多くなり、その反面、患者さんと過ごす時間は少なくなっていました。
一人の医師として為すべきことは何であるのか。本当にやりたいことは何なのかと思っているときに開院のお話をいただいたのです。
今こうして開業医となり、様々な患者さんとお会いすることが出来るようになりました。患者さんが言い残すことがないよう、思っておられることを全て話してくださるようにと日々心掛けています。これからも、その日の診療に納得してお帰りいただけるよう、きめ細やかな心のこもった診療を提供していきたいと考えています。

『総合内科専門医』とはどういう専門医なのでしょうか?

ひとくちに内科と申しましても循環器、消化器、感染症など専門によって細かく分類されます。その全ての分野において一定のレベルの修養を積んだと見なされ、認可されるのが総合内科専門医です。例えば健康診断で血小板の値の低さを指摘されたとします。大学病院の血液内科を受診したほうが良いのか、治療の方向性をどう考えたら良いのか。多角的に高度な医療知識に基づいてその判断をなせるのが総合内科専門医だと捉えています。

当院では消化器病、および肝臓病の専門医としての治療もおこなっています。
検診でいつも肝臓の数値が高いと言われる。お酒をやめたほうがいいのか、どうなのか。そうしたご相談に専門医としての見地から的確なアドバイスをおこなっています。
B型肝炎やC型肝炎といった重い疾患については、原則的には入院措置がとられるのが一般的です。ただ、患者さんによっては仕事を続けながらの治療を望まれる方もいらっしゃいます。その方のご希望に出来るだけ添うよう、患者さんの状態をしっかりと把握し、専門医として責任を持って対応をさせていただいております。

患者さんに対し、医師として為すべきことをお聞かせください。

患者さんお一人お一人、診療に望まれるものは違ってきます。ゆっくりお話をされたい方、仕事が忙しくてとにかく早く診療を終わらせたい方など様々です。もちろん患者さんのニーズに応じて診療に臨むことが前提となりますが例外もあります。我々の仕事というのは病気を治すことです。自分が病気にかかっている、もしくはその可能性のある方にはそれを自覚していただき、治療に取り組んでいただくよう説得していかなければなりません。
検査なんて面倒だと思われる方もいらっしゃるかもしれない。たとえそうであっても納得して検査や治療をしていただけるよう誠意を尽くして説明していくことが我々の使命だと考えています。
患者さんのニーズに時に反するような事もあるかもしれませんが、そこは責任ある医師として絶対に譲ってはならない線であると思っています。

診療に時間がかかり、結果として患者さんにお待ちいただくのは心苦しい限りです。ですが、かといって今日やるべきことをやらないようでは本末転倒だと思うのです。
仮に今日は混んでいるからと時間のかかる検査を後回しにしたとします。それは後々のリスクを知っていて放置したことに他なりません。患者さんにとってはもちろんのこと、我々医師にとっても後悔につながるようなことは絶対に避けなければならないと考えています。
患者さんの立場を自分に置き換えて考え、やるべきだと思ったことは必ずやるようにしています。

最後に地域の皆様へアドバイスとメッセージをお願いします。

フランクに何でも相談の出来るドクターを持たれるのが良いかと思います。この場合、そのドクターの専門が何科かということは関係ありません。自分が何の病気になるかなんてわかりませんし、そのドクターに求められることは、患者さんの相談に親身になって考えてくれる人かどうか。その一点につきます。例え患者さんの相談がそのドクターにとって専門外のことであっても、自分の思うところを親身になって聞いてくれ、後々のことまで考えて踏み込んで相談に乗ってくれる、そういうドクターを自分のかかりつけ医として持たれることをお薦めします。

『内科』『消化器病』『肝臓病』の専門医として、また地域のかかりつけ医として皆様のお役に立てるよう精進してまいりたいと考えています。内科以外のことでも、お身体や病気に関することでしたら何でもお気軽にご相談ください。

※上記記事は2011.1に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

林医院 林 毅 院長

林医院林 毅 院長 TAKESHI HAYASHI

林医院 林 毅 院長 TAKESHI HAYASHI

  • 好きな本・愛読書: ノンフィクション、山崎豊子 『沈まぬ太陽』
  • 好きな映画: 日本のいちばん長い日、アポロ13、フォレスト・ガンプ
  • 好きな言葉: 立ち止まる時、青春も終わる
  • 好きな音楽: オールジャンル
  • 好きな場所・観光地: ヨーロッパ(大学卒業旅行でフランス、イタリア、スペインを廻る旅に出たのですが、もう一度行ってみたいです。)
  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味・特技: スポーツ鑑賞(中日ドラゴンズのファン)、学生時代はアメリカンフットボール部に所属していました

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