赤峰 恵 代表(アトリエ ドゥ エプリュッシェ)のインタビュー

アトリエ ドゥ エプリュッシェ 赤峰 恵 代表

アトリエ ドゥ エプリュッシェ 赤峰 恵 代表 MEGUMI AMAMINE

神奈川県小田原市出身。仕事で訪れた韓国で韓医学の医師に出会い、韓国韓方の知識、加工技術を習得。その頃に父親の病が発覚し、韓方茶を使って回復に努める。この経験から韓国韓方の力に魅了され、漢方・韓方・和漢方も含めたオリジナル漢方ティーを独自に開発。ウェスティンホテル横浜でも提供されている。

韓国韓方の医師に師事

漢方ティーとの出会いは韓国。私は元々、天然石でアクセサリーを作る仕事をしていて、その買い付けで韓国によく行っていました。ある時「韓方茶セラピー」のお店に入り、そこで出会ったのが韓医学の先生。漢方と聞くと皆さん苦い薬を想像しますよね。韓国では液体の薬をよく飲むようですが、やっぱり苦いし、飲みにくい。だから美味しく飲めるようにお茶にしたのだとか。私も体質に合ったお茶を調合してもらったら本当に体調が良くなって、何度も通うように。すっかり韓方茶の魅力にはまり、先生の講座を受けることにしました。自分でも調合ができるようになってきた頃でしょうか、父が腎臓を患いました。どうにか透析は免れたものの、厳しい食事制限で気力も体力も減退。そこで先生から教わったレシピで父にお茶を作ってみました。すると「美味しい美味しい」と喜んで飲んでくれる。しばらく続けているうちに数値が改善してきたんです。病院の先生も不思議がっていましたが、お茶の話をしたら「それかもしれない」と。西洋医学の医師としては大きな声で言えないけれど、自分も漢方の力を信じていると言ってくださって。私も最初は半信半疑でしたが、その後調子を崩した義父にも飲んでもらったら、やっぱり効果が。「これはすごい、みんなに教えてあげないと!」そう思い立って、韓国韓方講座を始めました。

横浜産の材料で漢方ティーを

私のオリジナル漢方ブランド「Meme Beauty Kanpou」は、私の名前「恵」の「め」と、フランス語でおばあちゃんを意味する「メメ」にかけた名前。孫が生まれまして、孫からも友達からも「メメさん」と呼ばれてるんです。ちなみに、元々漢方というのは中国から来ていて、そこから韓国と日本に分かれて伝えられました。大元は中国なんですが、韓国は韓国流、日本は日本流としてそれぞれの風土や伝統文化に合わせて変化していってるんですね。私が講座の準備をしていた時、開業前のウェスティンホテル横浜の総料理長と知り合う機会がありました。新しくオープンするウェスティンホテル横浜はウェルネスがコンセプト。私も美と健康をテーマに漢方ティーを作っていたので、大変興味を持ってくださいました。ところがそのレストランで使う食材は横浜産を中心にするとのこと。私は韓国韓方茶の先生に習っていたので、ほとんどの材料を韓国で仕入れていました。
探してはみたものの横浜産の漢方材料が見つからない。これは和漢方を勉強し直さないと。そう思って勉強を進めているうちに、和漢方には野菜が多く使われていることに気づきました。野菜にも薬草としての効能がある。横浜産の野菜を使えばできるかもしれない。それからは花から葉っぱから根っこから、あらゆる野菜を使って実験と試作を重ねました。そうして出来上がった中の1つの材料が、カブの葉の入った漢方茶。これにはウェスティンホテル横浜の総料理長も驚いていましたね。

見て、香って、飲んで楽しめるように

「Meme Beauty Kanpou」のオリジナルティーは、農園探しから始まります。オーガニック栽培であることは絶対で、農園の雰囲気や作り手さんの意識、植物に対して愛を持って接しているかどうかも大切。ある農家さんは葉っぱの良い時期や新芽の取り時をとてもよくご存知で、製薬会社も買い付けにくるほど。私もいつも勉強させてもらっています。これだ、と思った材料を生のまま買ってきて、そこからは全部手作業です。お湯を注ぐだけで飲めるお茶にするためには、アク抜きやローストなどの加工が欠かせません。それに野菜のお茶はどうしてもスープっぽい味になりがち。野菜の漢方ティー作りではここに苦労しました。花や柑橘をブレンドして、出てほしくない味を抑え、出したい味を加える。「3人寄ると文殊の知恵」じゃないですが、3種類ブレンドすると良い方向にまとまるんです。私が目指しているのは、器の中で花びらが開く様子を見て楽しみ、味も美味しくて、香りに癒されるようなお茶。先生から習った韓方も、そういうところを大切にしていました。ですので、必要以上に手を加えるようなことはしません。植物の本来持っているエネルギーを失いたくないんです。自然界のエネルギーがなくなってしまうような感じがしますから。

体と心のどちらにもアプローチ

心と体は繋がっているという話を聞いたことはないでしょうか。漢方薬そのものは体の方にアプローチするものですが、同時に心の方も変化していかないと本当の回復とは言えません。私が作る漢方ティーの大元にはセラピーの考え方があります。苦くて不味いと思われていた漢方薬を飲みやすいお茶にして「ああ美味しくて、あったまる」と体の力を抜いて楽しんでもらいたい。体にもいいけれど、それ以上に心にいいものであるように、と思いながら作っています。いつも作業場でお茶作りをしていて、新作ができるとスタッフに振る舞いますが「はぁ、いい香り〜」とみんなの顔がほころぶ。これが一番です。それと体にうれしい働きとしては、デトックスでしょうか。現代の食生活の中で、小麦粉や糖質など体に入れなくていいものを完全に避けることは難しいですよね。そうなると大事になってくるのは、本来入らなくてもよかったものをどれだけ出せるかということ。体があるべき姿に戻るためにも、薬草たちはとてもいい働きをしてくれるはずです。

漢方の基礎が分かるプチ講座

漢方について深く学びたい方に向けて講座を開いています。東洋医学には漢方薬の他にもいくつかの治療法があり、その一つが「養生」です。私たちはつい自分の外側に気を取られ、振り回されてしまいがちですが、まずは自分の心と体に意識を向けた方がいい。講座ではこの「養生」の考え方も深く学びます。その上で漢方を取り入れる方が結果が出やすいからです。講座修了後はティーセラピストとしてお家でサロンを始めたり、講座開講を目指す方も。あるいは家族のセラピストとして、毎日の食事やティータイムに漢方の知識を活かしていただく。それだけでもいいですよね。もっと気軽に漢方のことを知りたい方には「漢方Teaプチ講座」も開催しています。こちらでは最初に8つの分類からご自身の体質を判定。結果に合わせた漢方ティーを飲みながら漢方の魅力やご自分の体質について学ぶことができます。今、受講してくださっているのは女性が多く、私も含めてほとんどの方が更年期障害を気にされていますね。まるで女性の更年期講座のよう(笑)。更年期障害に関しては体だけではなく心からアプローチすることも大切なので、その辺りもお伝えしています。
漢方に興味はあるけれどどのように始めたらいいか分からない、漢方をどう捉えたらいいのか分からない、そんな方は漢方Teaプチ講座へ。漢方というものが本当によく分かると思いますよ。

 

※上記記事は2022年12月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

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  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味: 旅行(東アジア:香港・韓国・台湾)
  • 好きな本: ビジネス本、魔女に関する書籍
  • 好きな映画: 僕のワンダフルライフ
  • 好きな言葉: 大丈夫
  • 好きな音楽: ヒーリングミュージック、ボサノバ
  • 好きな場所: 宮古島、箱根神社

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