T-Music Yokohama 増田 隆宣 代表

T-Music Yokohama 増田 隆宣 代表 TAKANOBU MASUDA

ミュージシャンを志されたきっかけと、スクール開校までの経緯をお聞かせください。

幼少期から常に音楽は大好きで、学校の成績も音楽だけ優秀でした(笑)。中学で洋楽にハマり、高校でバンドを始めて、そのまま音楽の勉強のため上京、気がつけばプロのミュージシャンとして仕事を始めていました。そしてその後30年余り、キーボード・プレイヤーの活動を中心として長年音楽の仕事に携わってきました。みなさんは、ロックバンドB'zのセッション・プレイヤー、または浜田麻里のコンポーザー(作曲者)として、わたしの名前をご覧になったことがあるかもしれません。
幸いなことに夢がかない、20代からプレイヤー、作曲家、アレンジャー、レコーディング・エンジニア、プロデューサーの仕事をさせていただいてきました。また独立して音楽プロダクションを経営し、音楽アーティストのマネージメントやミュージシャンの派遣業務などを通じて若手音楽家の育成にも力を入れてきました。そして50歳を目前とした5年前、第二の人生で今後どのような形で社会に貢献すべきか検討してきた結果、まずは音楽セミナーという形で皆さまに音楽や楽器を演奏する楽しさを伝えることを始めました。そして5年余りを経て、いよいよその拠点となる音楽スクールの運営にたどり着きました。ミュージシャン活動を始める前の20歳の頃に音楽講師のアルバイトの経験があり、いずれは音楽を教える仕事をしてみたいと考えていた時期もありました。またコンサートツアー中心のミュージシャンの仕事は、どちらかというと若いミュージシャンが活躍する場、なかなか体力が要ります。現在でもツアーで全国を回っていますが、50歳を機にセミナーの仕事を増やし、これまで400名近くの方にお話をさせていただいてきましたが、そこで事前に念入りなリサーチを行い、子育て世代を中心に幅広い層の方がお住まいになる都筑区にスクールを作ることにしました。

このスクールではプロを目指す人を発掘したり、プロ向けのレッスンをしようとは考えていません。音楽が好きで歌や演奏を楽しみたい人たちにたくさん来ていただき、みんなで楽しんでもらうことを目的としています。

具体的にはどのようなレッスンになるのですか。

「レッスン」と言う言葉には「お勉強」「練習」といったニュアンスが含まれますが、こちらでは演奏を楽しむ経験をしていただくことがメインです。たとえば「同僚の結婚式で演奏を頼まれた」「学芸会で演奏することになった」といった身近なきっかけから、こうした経験が始まることがあります。この場合は目的が明確ですが、そうでなくても「テレビでいつも流れている曲を自分でもやってみたい!」「少しでもいいからギターを弾いてみたい」といったこと、あるいは「何かやりたいけど、どこから始めたらいいかわからない!」といった漠然としたことでも構いません。とりあえずスクールの扉を叩いていただければ、「何か」を始めるためのきっかけ作りは私たちがさせていただきます。
たとえばサザンオールスターズの曲「いとしのエリー」を最初のレッスンで取り上げ、最低限の基本構成で弾けるようになってお帰りいただきます。そして2回目、3回目….と回を重ねていくうちに、曲のキーとなる要素を少しずつ付け加えていき、そこで生徒さんにはさまざまな発見と驚きを体験していただきます。最終的には曲本来の姿で演奏できるようになることが理想です。音楽において「ドレミファソラシド」は曲の基本構成で、この8つの音だけでも演奏はできます。ところが次のステップで「レ」と「ミ」の間の音(ミのフラット)をちょっと入れると、複雑さが加味されて音楽はより素敵になっていきます。しかし最初から複雑にしてしまうと何だか難しくなって、続けていく気持ちが失せてしまいますよね。ですので、「ステップアップするとさらに楽しい」と思っていただけるようなカリキュラムにします。課題曲になりそうなものは無数にあるので、生徒さんの好みに合わせて選べます。こうしてレッスンを続けますと、回数を重ねるごとに演奏できる曲は増え、ご自身の演奏体験は無限に拡がっていくわけです。グループレッスンが基本ですが、ご希望に応じてマン・ツー・マンレッスンもあります。

体験レッスンの内容についてお聞かせください。

まずは、「キーボードを弾いてみたい」「歌が上手くなりたい」「作曲をしてみたい」「何か楽しい楽器を始めたい」など、音楽でどんなことをやりたいか教えてください。その人の要望、そしてレベルや経験に合わせて、いろいろな楽器を使ったり伴奏をしてあげたりして何か楽しいことをその場で体験してもらえるようなレッスンをします。
たとえばギターやキーボードなら、経験のあるなしにかかわらずスタジオの中で実際に触っていただきます。そして、とても簡単なコード(和音)をいくつか組み合わせて弾けるように教えますので頑張って弾いてみましょう。そして私がその上に何かの楽器でメロディーを弾けば、これだけでセッション(合奏)は成立します。リズムはリズム(ドラム)・マシンを使って合わせるとさらにテンションはアップします。数々の音楽スクールは存在しますが、最初からセッションをやるところはなかなかないでしょうし、複数の人と一緒に演奏するのはとても楽しいのでぜひ経験してもらいたく、参加者が最初からその場でセッションができる、これが最大の魅力だと私は考えています。

初心者の方には楽譜を使わずに教えていらっしゃるそうですが、詳しくお聞かせください。

楽譜は演奏者が便宜上楽曲を伝えるためのもので、ただの伝達手段に過ぎません。昔は録音技術がなかったため、紙(五線紙)に書いていたのです。現代ならICレコーダーなどで録音して渡せますし、スマホで動画を録ることだってできます。もしこうした装置が手元になくても、レッスンで「Cのコードを”タン・タタン”と弾いて」と伝えれば済みますよね。あくまで私感ですが、せっかく素敵な衣装を着てステージに立っても、じっと楽譜を見て演奏しては、楽譜で顔や衣装が隠れたり、また歌や演奏の動きで盛り上げることもできません。コンサートは、演奏とビジュアルのトータル・パフォーマンスなのですから。

レッスンの際心がけていることと、地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

何より生徒さんが楽しいかどうかが一番大切です。一回一回のレッスンが楽しくなるようなカリキュラムを立てます。もちろん演奏によって人を感動させたいのであれば、時には少しだけ練習で苦労していただくこともあるかもしれません。しかしどうしてもできないことがあれば、いくらでも他の方法(アプローチ)があります。ご自分の得意な演奏をすればいいのです。そういった自由さがクラシック音楽のレッスンとは違う、ポピュラー音楽の楽しさでもあります。
楽しいから続けられる……が大前提ですが、頑張ることが好きな方には相応のカリキュラムを立てます。頑張ることで見えてくる別の風景がありますし、望む人にはそのような体験もしていただきたいです。

私は「音楽は難しい」という考えを払しょくするためにこのスクールを立ち上げました。これまでの私の略歴をご覧になった方は「敷居が高そう...」と思われがちですが、たくさんの方が音楽に対して(聴くだけではなく自分から歌ったり演奏したり)能動的になれるようになっていただくことが一番の目標です。楽器ができない方はもちろん、音楽の話がしたい方にも気軽に扉を叩いていただきたいと思います。

※上記記事は2016年12月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

T-Music Yokohama 増田 隆宣 代表

T-Music Yokohama増田 隆宣 代表 TAKANOBU MASUDA

T-Music Yokohama 増田 隆宣 代表 TAKANOBU MASUDA

  • 愛読書: 主に日本のSF。小松左京、半村良、筒井康隆。大長編が好きなので京極夏彦の作品も。
  • 好きな映画: 「アマデウス」「シックス・センス」「タイタニック」
  • 座右の銘: 継続は力なり
  • 好きな音楽: カーペンターズ。弾く音楽(主にロック)とは異なり、イージー・リスニングやポップスが好きです。
  • 好きな場所: 海・山など自然が感じられる場所。北海道、沖縄。
  • 生年月日: 1961年2月26日
  • 出身地: 大阪府
  • 血液型: A型
  • 趣味・特技: 鉄道(主にSLや国鉄時代の車両)、パソコン、フィットネス

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