この道を志したきっかけを教えてください。
私自身、8歳、10歳、12歳の子ども達を育てる一人の母です。最初の子育ての時、不安に思ったんですよ。 子どもって単にやってみたい!知りたい!ということがいっぱいです。 でもマナー的にダメと、規制されることが多いですよね。 やりたいことができない子どもが、果たして健全に育つの??って。 あとは、おもちゃ。だいたい遊び方が決まっていますよね。 でも、実際に与えてみると、子どもはそうは遊んでくれないんです(笑)。 全く別の遊びにしちゃうことに、最初すごく驚いて不安でした。 どう子どもと遊べばいいんだろう?どう育てればいいんだろう? そんな時出会ったのが、ネットで見つけた和久洋三先生の積み木でした。 和久先生の考え方は、まず、遊び方は子どもが見つける、ということです。 だから、子どもの数だけ遊び方があっていい。それこそ無限大なんです。 私が抱えていた不安の答えが見つかり、何より子ども達ががイキイキしてくる姿に、胸を打たれました。 それがきっかけだった気がします。
和久先生の積み木についてもう少し教えてください。
形は立方体や直方体などいたってシンプルです。長く使っても湿気などで変形しないよう材質は固いカバの木。余計な着色もないので、小さな子どもが口に入れても安心です。ここから、その子達なりに楽しみを見いだして無限に遊び方を広げて行くんですよ。 男女でも違いますし、同じ男の子であっても、電車好きな子、ヒーロ好きな子で出てくる遊びが違います。また年齢に従って、数や形への興味から秩序立てて並べるなど自然にその方法を変えていきます。特に遊び方が決まっていないシンプルな積み木だからこそ、その子の中のイマジネーションを表現する道具になってくれているのではないでしょうか。
そのイマジネーション、創造力を育てるアトリエということですが具体的には何をするのですか?
この和久先生の遊びのコンセプトを元に、主に造形と絵画のプログラムを用意しています。その子が「やりたい!」ということをどんどんやらせます。基本的に「禁止」はありません。あちらの子が●●を始めたら、こちらの子は□□を始めて…という状態も、そのまま見守ります。大切なのは子ども達が集中して創作できること。アトリエ内には余計な物は置かず、白い壁で床も木目です。私達も必要以上に声かけしません。すると子ども達は黙々と集中して何か作り始めるんですよ。出来上がったものはいつも大人の想像をはるかに越えるものばかり。すごーーーく感動しますね!中には、今日は何もしたくないという子もいます。それも、そのまま受け止めます。何かをやらされるのではなく、その子が今何をしたいのか?を、しっかり自分自身で感じさせることを大切にしているんですね。すると子どもは、「ここは何もしない自分も受け入れてもらえる場」と認識します。この絶対安全という環境があってこそ初めて自由な表現、創造が可能になります。子ども達がありのままを出せることが、豊かな創造性につながっていくんです。
子ども達はどう変化していくのでしょうか?
小さいお子さんは別ですが、例えば小学生から始めた子は最初戸惑うようなそぶりも見せます。指示を待っていることに慣れているので、急に好きにしていいと言われても、何をどうしたらいいの?っとなるんでしょうね。こちらがいろんな素材を用意しても、ほんの少しだけ使ってあとはじっとしてしまうとかね。でも、これも習慣だと思います。何をどんな風に作っても安全だと分かって、自分の表現を繰り返していけば、自然に創作の楽しさに目覚め目を輝かせてきます。
親御さんの反応はいかがでしょうか?
いろんな反応がありますよ(笑)。「それ何作ったの??」とビックリして不安がる方もいます。何かを見てそっくりに描けたら上手とか、大人の中にはどうしても固定の価値観がありますよね。だから、つい言ってしまわれるんだと思います。ここは、テーマこそ用意しても、何かお手本を見て真似るというアトリエではありません。筆ではなく雑巾に絵の具をつけて描くなど、表現も今のその子なりにさまざまです。私たちはそれをありのまま受け入れます。どれもすごいし素晴らしいですから。駅前のスペースを借りて展覧会をしたこともあります。すると、お父さんお母さんの反応も少しずつ変っていかれますね。もしかすると、大人達の創造力も試される場かもしれません。中には学校生活に馴染める?と心配される方もいます。私は、まずはお父さんお母さんがしっかりその子をありのまま認めておられたら大丈夫だと思います。
地域の皆様にメッセージをお願いします。
将来、お子さんが主体的に生きて行ける人に育ってほしい。受け身ではなく何かを自分で作り出す人になってほしいとお考えではありませんか?このアトリエで自由に作ることの楽しさを知り、豊かな創造性につながることはその手段のひとつになると考えています。つい子ども達に何かを教えなきゃ、何かをさせなきゃと力が入りがちですよね。でも、子どもって興味にのあることは自分で勝手にどんどん掴んできます。親御さんは、それを信じて待ってあげる見守るだけでいいだと思うんですよ。いろんな習い事を嫌がる子が、このアトリエで初めて自分から取り組んでくれだと喜ばれるケースも少なくありません。どうやら子ども達からも、ちゃんとサインを発してるようです。できるだけ早い内に全ての子ども達に会えたらうれしいですね。もし、あれこれお悩みでしたら体験入学も実施しております。ぜひ一度遊びにきてください。お待ちしております。
※上記記事は2014.5に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
わくわく創造アトリエ 能見 圭子 講師 KEIKO NOMI
- 好きな本・愛読書: 絵本、「白い蜘蛛」ハインリッヒ・ハラー
- 好きな映画: 子ども達とスターウォーズにはまっています。あとはレ・ミゼラブル
- 好きな言葉・座右の銘: 「自由と秩序」今大事にしている言葉です
- 好きな音楽・アーティスト: レ・ミゼラブルの音楽
- 好きな場所・観光地: スイス
- 生年月日: 7月25日
- 出身地: 岡山県
- 血液型: O型
- 趣味・特技: 最近ヨガを始めました