小泉 力 代表取締役（理科実験教室キッズアース　センター南校)のインタビュー

この道に至るきっかけと、これまでの経緯をお聞かせください。

大学を卒業後は旅行会社へと就職をしました。その後、教育関連の会社での勤務を経て愛知県に本拠を置く学習塾の会社に就職をしたのです。その会社は普通の学習塾をメインとしていましたが、一方で体験型の、いわゆる感性教育にも力を入れていきたいと考えていました。今から15年ほど前になるでしょうか。その学習塾が関東に進出した時にエリア長を任され、同時に理科実験専門のクラスを開設しました。そこで得た経験をさらに活かす形にしてみたいと考え、『キッズアース』を開設する運びとなったのです。

『キッズアース』の授業の特徴をご説明ください。

先にお話しした通り、以前の会社で理科実験専門クラスを運営していたことが土台になっています。それまでの学習スタイルというのは、こちらが教えて、生徒は聞いて覚える、というものでした。言い換えれば、生徒側にとってそれは受け身でしかありませんよね。理科の実験では生徒自身がまず興味を持ち、何も言わなくとも自分で調べて「先生、これ知ってる？」と逆に質問してくるようなワールドが生まれます。言わば、本当の自立学習。自分から意欲を持って自発的に調べたり考えたりするのが、私がここで目指している教育スタイルということになります。周りを見渡せば、理科実験教室というものはそれほど珍しいものではなくなりました。その中で私どもの特徴を申し上げるとすれば、それは、実験によって生まれた興味を育てるスタイルにあると思います。見栄えのする面白い実験ばかりを集めておこなうのではなく、段階を経て理科の分野全てを学べるようにカリキュラムが組んであるんですね。
例えば「電気」をテーマとしましょう。1年生は豆電球と電池から。2年生はそこから少し進んで電気回路。3年生になると今度は電流を扱うようになり、高学年になると電気抵抗というように、同じテーマをステップアップして知識を積み重ねていくというものです。興味で終わるのではなく、自分で体験して本当の知識が身になるよう導いていくのが『キッズアース』のスタイルです。

実験の後、白紙のノートをまとめていくとか…その心は？

実験はみんなが面白がってやりますが、それだけだと「今日は楽しかった」で終わってしまいます。だからこそ『キッズアース』では、実験後にその詳細をノートにまとめていくように指導しています。ノートをまとめていくことは頭の中を整理する訓練にもなりますし、記述力を鍛えることにもつながっていきます。どの学習をする上でも記述力というのはベースになってきますから、それを学ぶことは非常に大切です。おそらくですが、普通の授業をノートにまとめる作業は、子ども達にとって面倒なことかもしれません。しかし、実験は楽しいものですから、そのモチベーションを活かすことで自然に学習する能力を高めることが可能になるんですね。

野外活動について教えてください。

『キッズアース』の野外活動は、ただ海や山にいって遊ぶだけに終わりません。その度にテーマを設けるんです。例えば、カニ。実際に浜に行き、カニがどんな場所に居て、どんな形をしているかを観察し、その成果をノートにまとめ、みんなが集まる前で1人ひとり発表をおこなうのです。 以前、この試みを教室でおこなっていたことがありました。ところが、教室という雰囲気が影響するのか、子ども達は極度に緊張してしまったんです。フィールドでプレゼンテーションをおこなう利点はここにあるんですね。プレゼン能力は、これから大人になっていく子ども達にとって必要不可欠なスキルです。『キッズアース』の野外活動は、このプレゼンテーション能力を育成することに主眼を置いています。

最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。

一般の学習塾とは異なり、理科実験教室の結果は、すぐに出るものではありません。しかし、自然科学は、勉強をする上においても、日常生活においても全てに結びつく学問です。自然科学を体系的に学ぶことで、やがて大きな花が咲くと私は考えています。好奇心旺盛な子供だからこそ、多角的な視点での学習の機会をつくってあげていただきたいと思っています。
※上記記事は2014.5に取材したものです。
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