米内山 幸夫 ＆ 広瀬 幸枝（近藤美国ダンススタジオ センター北スタジオ)のインタビュー

ダンサーを目指されたきっかけについて教えてください。

【米内山 幸夫 講師】岩手大学入学後、「競技舞踏部」に入部しました。社交ダンスのサークルで、「全日本学生競技ダンス連盟」に所属しています。体育会に近く、全国大会にも出場する本格的なものです。何らかのサークルに入部しようと思い、ゴルフサークルや、イベント系サークルなども掛け持ちしたのですが、最終的にダンスが残りました。入部の動機があいまいだったのに、のめり込んでしまった一番の理由は、「ペアダンス」だったことかもしれません。相手があってこそのコミュニケーションが面白く、奥深い世界です。また1年時からよい成績が出せたことも大きかったです。自分の意志で工夫し練習を重ねて技を磨くことで、結果が出していくことができました。早くから競技ダンスの醍醐味が味わえて幸運でした。

【広瀬 幸枝 講師】
学生の頃から故郷の仙台で新体操クラブに通い、将来は「踊り」を職業にしたいと考えていました。しかしその後、新体操でプロとしてやっていくのは「狭き門」であることがわかりました。母が始めた社交ダンスの話を聞いているうちに自分も始めてみたくなり、高校生の頃社交ダンスに転向しました。こちらの方が生徒さんの層が広く人口も多いため、将来性があると思ったのです。
しかし「堅実な職業に就いてほしい」という父の願いで、短大卒業後1年間はOL生活もしていました。一方でプロとしての足固めも着実に進めておりましたから、仙台のスクールでプロ申請して弟子入りし修業生活もスタートさせました。当時プロになるためには少し複雑な行程を経なければならなかったのです、まずプロ申請をしても、1年間は「無償奉仕」で弟子入りしいずれかのスクールで働かないと受験資格が得られません。そこで昼間はOLとして働き、夜は師匠の仕事をお手伝いしながら技術を磨きました。お手伝いの内容は、グループレッスンの用意などです。ゆくゆくはOL生活とダンス教師の仕事を両立するつもりでしたが、当時20歳のわたしにとっても大変な激務で、「二足の草鞋」は無理でした。結局父を説得しダンス一本に絞りました。

その後お2人がこちらのスタジオに勤務されたその経緯について教えてください。

【米内山 幸夫 講師】卒業の頃、普通に就職するかダンスを職業とするか検討していましたが、後者についてはあまり真剣ではありませんでした。しかし4年のとき「東北舞踏研究会」の仙台大会で、広瀬さんに声をかけていただいたことがきっかけで運命は変わりました。パートナーとは卒業時にペアを解消することが習わしだったのですが、それを知っていた広瀬さんに口説かれました（笑）。「国立大学に入った以上は、是非公務員に」という親の希望があったのですが、結局プロとして生きることを選びました。その後は「何としてでも一人前に」という意地でここまできました。

【広瀬 幸枝 講師】
ダンス一本に絞ってプロになりましたが、当時は指導者としての活動しか考えていませんでした。そしてある日競技ダンスのことを知り、自らの技能を磨くには最適の活動だと思い競技の相手を探しました。仙台大会で拝見した米内山さんの踊りは素晴らしく、すぐペアを組むことをお願いしました。
その先がまた複雑でして…わたしが仙台のスクールに米内山さんをお呼びしてそこでプロデビューをしていただくつもりだったのですが、岩手の「かわい社交ダンス教室」が彼を手放してくれませんでした。そこでプロとして2年間のご奉公を仙台のスクールで終えた後、師匠の後押しでわたしが岩手に行くことにしました。師匠は川井先生に一緒に頭を下げに行ってくださいました。
河合先生のところで米内山さんがプロデビューしさらに4年間ご奉公した後、現在の師である近藤先生のところで働かせていただくことにしました。仙台時代から新幹線で近藤先生のスクール（五反田）に通っていたのですが、きちんと内弟子として働きたかったのです。そして2000年に開業間近だったセンター北のスタジオを任せていただきました。

レッスンの内容について教えてください。

基本的に「マン・ツー・マン」制ですが、グループレッスンを行うこともあります。25分で1レッスンです。25分では短いとお感じになるかもしれませんが、「マン・ツー・マン」レッスンであればちょうどよい運動量です。ただしご要望によって2レッスン、または1.5レッスンという形式もあります。ダンスの内容ですが、入門レッスンでまずジルバとブルースを習っていただきます。一通りどのような踊りもできるようになりたい方が多いため、その後はスタンダード（ワルツ・タンゴなど全5種類）とラテン（ルンバ・チャチャチャなど全5種類）を順番にお教えします。もちろんご要望に応じて最初から特定の踊りをお教えすることもあります。

どのような生徒さんがいらっしゃるのですか。

目的はそれぞれ異なり、（1）外資系企業に入りパーティや国際会議のために社交ダンスを覚えたい、（2）競技会に出るために技を磨きたい、（3）船旅で踊れるようになりたい、（4）健康のために体を動かしたい….といったご要望をお持ちの方がお見えになります。ダンスにはさまざまな楽しみ方がありますので、是非レッスン後もご自身の世界を広げていただきたいですね。当スタジオでは、わたしたち講師がパートナーとして踊り、ダンス以外にもコミュニケーションの方法をご教授します。たとえば、リードを受けやすい体の構え方・動かし方といったことですね。また動きが美しく見える所作もお教えしています。そこで女性講師も男性の足形で踊れるようにしています。

サービスで心がけていることと、地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

心がけていることは、きちんと踊れるようになっていただくことです。そこで知識だけを詰め込むのではなく、筋肉や関節をどう動かしていくのか、自身の体を使ってお伝えしています。多くの方がスポーツで「頭でわかっていても体が動かせない」経験をされたと思うのですが、ダンスも同じです。教科書を読みビデオをご覧になっても、同じように踊ることは難しいのです。プロであるわたしたちも、習ったことを体で表現できないことがあります。そのためスポーツジムに通い、パーソナルトレーナーから身体の感覚や筋肉のことを学んでいます。レッスンでは、ダンスの動きに筋肉の使い方や関節のしくみを照らし合わせて指導しています。体をどのように動かせばダンスの動きに近づくのか、といったことを体でお伝えするのです。地域のみなさまには、ダンスを心の底から楽しんでいただければと思います。ダンスは人間が昔から楽しんでいる娯楽です。これだけ続いているのは楽しいこと以外にも、奥が深く、突き詰めたらキリがないからではないでしょうか。春は新しいことを始めるのにちょうどよい季節です。「心機一転」で何かに挑戦されたい方のお越しをお待ちしています。

※上記記事は2014.5に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。