女優を目指されたきっかけと、現在までの経緯について教えてください。
カリフォルニア大学デイビス校に入学したときは医学部にいました。わたしには重い病気を患う姉がいて、姉の病気を治したい一心で医学部進学を決めたのです。ところが3年生のとき姉が亡くなってしまいました。姉を亡くした悲しみと失意のどん底にいたわたしは、完全に大学にいる目標を見失ってしまいました。そこで短期間休学をし心の整理をしたのですが、この後は自分の将来設計を立て直さなくてはなりません。さまざまな教授に相談しましたところ、芸術学部演劇学科の先生が「あなたは子供の頃からダンスや演技をやってきたのだから、こちらにいらっしゃい。きっと楽しく勉強できるわよ」と誘ってくださいました。
ところが、当初理系学部に在籍していたわたしが演劇学科に転籍するには、一般教養科目をいちから履修しなおさなければなりません。結局大学卒業には6年かかってしまいました。ただ高校の成績がよく奨学金制度で大学に入ったので、その後の費用も少なくやり直せました。
卒業前に日本の方が歌と踊りを教える先生を探していましたので、オーディションを受けて合格し、二つ返事で来日を決めました。6ヶ月間の契約で来日し大阪で教えていたのですが、その学校は英会話学校も経営しておりそこでエグゼクティブ向けレッスンも担当させていただきました。
ミュージカル「キャッツ」日本語版上演と劇団四季のオーディションの話を聞きつけたのはちょうどその頃でした。幸いレッスンを担当させていただいていた電通社長を通じてオーディションを受験できました。外国人にも門戸を開いていましたが、合格の条件は日本語で歌えること。日本語が全然わかりませんでしたが、そのときから無我夢中で勉強しました。1983年に運よく合格できて上京した後、四季在籍中は女優として働く傍らで四季社長・浅利慶太氏の通訳兼サポートとして数々の交渉・契約の場に同席させていただきました。さまざまな方との出会いに恵まれ、本当に素晴らしい経験をさせていただいたと感謝しています。
1989年に娘が生まれると、子育てとの両立が難しくなってきたため四季を退団してこのスクールを荏田に開設しました。四季の本社があざみ野にあったので、わたしは上京と同時に都筑区(当時の緑区)に移り住んでいました。当時この地域は開発途中でしたから、現在のように華やかではありませんでしたね(笑)。
現在は洗足学園を含む3つの大学と当スクールで教えています。なかなか医学から演劇に転向する人はいませんが、わたしはあのとき誘ってくださった先生のおかげで多くの方に巡り合うことができ、本当に好きな仕事を続けることができています。ありがたいことですね。
レッスン内容と方針について教えてください。
レッスンは年齢ごとに分けて実施しています。ダンスがメインと思われがちですが、英語と日本語の両方で歌唱と演技をきちんと基礎から教えています。ただイベントではお見せする演目はどうしても歌と踊りが中心になります。一方、発表会では全て英語による台詞・歌詞で演劇(ミュージカル)にチャレンジしています。レッスンの方針はとにかく楽しんで自己表現する場を作ることです。
このスクールはいわばガールスカウトのような一面も持っていて、夏には合宿をやってレッスンの傍ら集団生活のマナーについても指導しています。面白いことに、このスクールでできた結びつきは固いんですよ!現在わたしのアシスタントとして働いている女性はこのスクールに3歳で入会した方で、現在はお腹の中に新しい命が宿っています。ほかにも幼少期の生徒さんが結婚してそのお子さんを入会させるようなケースが多々あります。
イベントはだいたい月1回程度で、12月や4月など特別な月は2回です。「アートフェスタかながわ」のような国際的な公式イベントにも年に10回程度参加しています。ほかにスキルの高い子たちをプロ活動へ個人的に出演させることもあります。演目はイベントごとに新しいものをやることが多いため、いちから覚えていくのが大変ですが、みんな一所懸命ついてきてくれます。
教室にいらっしゃるのは、どんな生徒さんですか?
やはり圧倒的に女のお子さんが多いですね。本当は男の子にも入会してほしいと思っているのですが、残念ながらその年ごろの子はスポーツの方が好きです。年齢層は赤ちゃんから成人まで幅広くお越しいただいています。赤ちゃんクラスでは、ママやパパと一緒にレッスンして、みなさん楽しんで帰っていかれます。
長い間お子さんを見させていただいていますが、今のお子さんは自己表現をすることに慣れていて表情も豊かです。義務教育でダンスが組み込まれるようになりましたが、これがさらによい影響をもたらすとよいですね。
サービスで心がけていることについて教えてください。
I strive to ensure that each student enjoys the lesson and feels that they are capable. とにかくレッスンを楽しんで、自分ができると思えることが増えるようにしていきたいです。内容が難しすぎるとなかなかやる気を起こさなくなりますから、ちょっとだけ難しいことを教えながらお尻を叩いて導いていきます(笑)。
地域のみなさまへのメッセージをお願いします。
All studies are interactive. Sometimes you learn best by going around a subject and approaching from a different angle; don't just study English, study something in English, then you will be interested in the subject and will enjoy learning and will want to get better at it. わたしが伝えたいのは、ただ英語だけを学ぶのではなく、何か目的意識を持って英語で何かを学ぶようにしていただきたいということです。そうすることで勉強のやり方をつかむことができ、その手法はほかの分野にも転用できるようになるのです。つまりやり方さえわかれば、ほかの勉強もうまくいくようになります。こんな風に意識しながら楽しんで学んでいっていただきたいですね。
※上記記事は2016.03に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
ダイアナ石山SONG&DANCEミュージカル教室 ダイアナ・ボール・石山 代表 DIANNA BALL ISHIIYAMA
- 好きな言葉・座右の銘: The future belongs to those who believe in the beauty of their dreams-Eleanor Roosevelt
- 好きな音楽・アーティスト: Jazz, Musical, Classical and Pops. I like everything.
- 好きな場所・観光地: Kiyomizu Temple, Yoyogi Park, Nikko.
- 出身地: 米国 Pasadena, California
- 趣味・特技: ダンス、演技、歌、読書、Cooking
- 好きな本・愛読書: Everything! でも特に Jane Eyre, Oliver Twist, Little Women, Inferno
- 好きな映画: The Wizard Of Oz、Singing In The Rain、The Theory Of Everything、and so many more...