小林 大一 代表（老麺　魂)のインタビュー

この道を志したきっかけをお聞かせください。

親戚が藤沢の「つくしんぼ」という日本料理店にいたこともありまして、1年程手伝っていた事があるんです。それがきっかけで飲食の道に興味を持ち始め、高校卒業後に１年間、調理の専門学校に行って和食を勉強しました。専門学校卒業後は和食の板前を10年程していたのですが、時代の流れもあって、和食1本で食べていくには難しいと感じていたんです。
当時、ラーメン店の食べ歩きが好きで、よく都内の有名店を調べては食べ歩いていたのですが、あちこち食べ歩く内に、ふと和食のノウハウを使って、自分のラーメン店を持ちたいという衝動にかられたんです。
特にラーメン店での修行経験は無かったですが、魚会系スープのダシの取り方は和食と変わらないと思っていました。

現在に至るまでの経緯や当時のエピソードをお聞かせください。

現在の場所（都筑区）を選んだ理由は綺麗な街だったことと、今後更に人口が増えてくると思ったからですね。当店もオープンして半年位は知名度もなく、世間に知られていない辛さを味わっていました。このままどうなるのかと思っていた矢先、思いもよらずラーメン評論家の「石神さん」から３つ星の評価を頂いたことがきっかけとなり、ようやくお客様にもお越し頂ける様になったのです。
2010年現在、当店はお陰様で8年程、続けられていますが、当時のお客様に来て頂けない時の不安な気持ちは一生忘れることが出来ないでしょうね（笑）。

「魂」のこだわりや、おすすめラーメンをお聞かせください。

まず、魚介類の仕入れには相当目を光らせています。主な魚は煮干、かつお、ソーダがつお、さば等を使用していますが、食材を届けてくれる業者の方と、ほとんど値段交渉はしない代わりに、もし品質が良くないと思われるものが届いたら、全てを返品し、その日は営業しないという意気込みでいます。
実際、天候によってもそうですが、満足な食材が調達出来ない日はお店を閉めたりもしていました。
そんな意気込みでやっていましたので、オープン当初は業者さんがなかなか定まらずに相当苦労をしましたよ（笑）。
そんなこともありましたが、今では仕入先も落ち着き、安定した食材が手に入る様になってきましたので、日々、こだわりの透き通ったスープをご提供出来ている訳なんです（笑）。
もちろん魚介だけではなく、チャーシューも麦しか食べていないばら肉を使っています。
その他、美味しく召し上がって頂ける様、店内でお出ししている、じゃこご飯、タレ、ドレッシング、杏仁豆腐等は、市販の物は一切使わず、すべて自家製にこだわっています。
また、当たり前の事かもしれませんが、店内の掃除を徹底して行い、お客様には気持ちよく召し上がって頂ける様、常に清潔な店内を心がけています。
自分で食べに行った時でも、掃除の行き届いていないお店では食べる気がしないですからね。

しょうゆ、味噌、塩のどれもお勧めですが、特に魚の味を一番感じられるのは塩味だと思っています。
そんな塩にもこだわりがあり、モンゴル産の岩塩を使用しているんです。いくつもの塩を試してみましたが、うちのラーメンには一番このモンゴル産の塩が合っていました。
お客様によって、好みは様々だとは思いますが、是非当店のラーメンを一通り食べていただけると嬉しいですね。

小林さんの今後の展望をお聞かせください。

鴨居につけ麺専門店（２号店）をオープンする予定ですが、自家製麺を作り、麺の作り置きはせずに作りたての麺を味わって頂こうと思っています。特につけ麺の場合、ダイレクトに麺の味や香が分かりますので、一番美味しい作りたての麺をお出ししていくというこだわりを、常に持ち続けていきたいと思っています。
塩、つけ麺の次は、味噌やしょうゆの専門店にもチャレンジをしていくのが目標です！
ジャンルを変え、味への探究心を常に持ち続けていくことによって、我々も強いモチベーションを維持していけると考えています。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

店名の由来は、大和魂から、その名の通り「魂を込めて作る」という意味でつけました。とにかくお客様に美味しいものを提供していいきたいという強い気持ちをいつも持っていますので、是非一度、当店へ足を運んでいただきたいですね。
今後も変わらない味を地域の皆様にご提供し続けていきたいと思っています。

※上記記事は2010.5に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。