大澤 基 院長（横浜ホームクリニック)のインタビュー

TVのドキュメンタリー番組に背中を押され、医者の道を志す

もともと父も医者だったため自分の将来像の候補の中に医者もありましたが、特に絶対に医者になろうとは決めてはいませんでした。高校生の時に、テレビで”神の手を持つ”と称される脳神経外科医の福島孝徳先生のドキュメンタリーを見る機会がありました。その番組をみて、自分も福島先生のような人の役に立つ医者になりたいと強く思い、そこから医者を目指し、今に至ります。

在宅医療が適している患者様に来院いただかなくてはならない苦悩

昭和大学横浜市北部病院において、腎臓内科にて診療をしていました。患者様の中には、在宅医療で対応することができれば、ご本人もご家族も負担が少なくすむ方が多くいらっしゃいました。しかし、なかなか同じような治療方針や考え方をもち、安心して治療を依頼できる訪問診療医が少ないことから在宅医療をご案内できず、苦労しながら通院いただくか、療養病院に入院していただかなくてはならず心苦しく思っていました。患者様が必要とする訪問医療がないのであれば作るしかない！そんな気持ちで独立し、開院することを決めました。昭和大学横浜市北部病院のメンバーからは、これで在宅医療をおすすめすることができると喜びの声をもらい、力になりました。

訪問診療は通院に苦労されている方の強い味方

現在車いすを利用されている、また杖を使って通院されている方はもちろんご高齢の方や、病気の影響で息苦しさのある方などにも、私達のクリニックを活用していただきたいと思っています。依頼を受けて臨時で訪問する往診とは違い、事前に計画を立てて訪問日を決めさせていただくのが訪問診療です。もちろん訪問日以外でも緊急対応が必要な場合には、24時間365日の体制で駆けつけます。訪問診療で日頃の様子もしっかり把握している私達だからこそ、できることがあると信じています。さらに、ご自宅に訪問させていただけるからこそ、日常の中でのアドバイスなどもさせていただき、より快適に毎日を過ごしていただけるように寄り添っていきます。

スタッフとの知識の共有やコミュニケーションを大切に

週に1回、どんなに忙しくてもクルズスを欠かさずに行っています。クルズスとは、簡単に言うと勉強会のようなもので、病院では頻繁に行われているのですが、当クリニックのような少人数の医療機関では実施しているところのほうが少ないかもしれません。訪問診療だからこそ必要となる介護保険についての勉強や、最新医療についての情報共有などを題材にしています。知識を共有することはもちろんですが、必ず全員で顔を合わせるということがとても重要です。スタッフ間のコミュニケーションが日常的にできていることで、患者様についての情報共有などもしっかりと正確に行うことができますし、そういった連携が患者様へのより質の高いケアにつながると考えています。

患者様とそのご家族とひとつになれる診療を

私達は基本的には月に2回の訪問、必要に応じてその回数を増やして対応させていただいています。また、日頃の様子をわかっているからこそ緊急時にも安心してご連絡いただきたい、そんな想いで日々患者様と向き合っています。患者様がご自身の病気で大変なのはもちろんですが、実は患者様を支えるご家族様にも大変なご苦労があります。だからこそ、私達は、患者様はもちろん、そのご家族の方も含めて自分の家族のようにケアをさせていただいています。これは私が医者になったときからの信念でもあるのですが、訪問診療をするようになり、より強く思っています。先日も訪問診療をさせていただいている患者様のご家族から「いざという時は先生にご連絡できると思うことができ、夜しっかりと睡眠をとることができるようになりました」と嬉しいお言葉をいただきました。いざという時には、古巣である昭和大学横浜市北部病院をはじめ、複数の医療機関にすぐに連携できる体制が整っておりますので、ご苦労されながら通院されている方がいましたら、一度ご相談ください。患者様もご家族様も無理なくできる治療を目指していきましょう。

※上記記事は2023年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。