大石 直輝 院長(おおいし歯科クリニック)のインタビュー

おおいし歯科クリニック 大石 直輝 院長

おおいし歯科クリニック 大石 直輝 院長 NAOTERU OHISHI

歯科医師を志されたきっかけと、北山田で開業された理由について教えてください。

子供の頃お世話になった歯医者の先生が、恐怖心を抱かせない治療を得意としていました。親切な女医さんで、先生のところでお話をすることが何よりの楽しみだったのです。多くの人にとって歯科医院は「怖い治療をする場所」という認識が根強いようですが、わたしには楽しい思い出しかありません。「将来は専門職に」という母の勧めもあり、職業選択の際まず頭に浮かんだのは「歯科医師」でした。そこで日大付属高校から大学に進学する際、迷わず歯学部を選択しました。
大学では院内実習で大山哲生先生(日本補綴歯科学会専門医)に出会い、大きな影響を受けました。先生の高い技術力と患者さん第一の診療方針に心酔したわたしは、卒業後は先生が教鞭をとる「補綴学講座」に入り2年間義歯(入れ歯)について学びました。先生の教えは、現在もわたしの治療の「礎(いしずえ)」になっています。その後は開業を念頭に「オール・ラウンド・プレイヤー」として働けるよう、さまざまな診療所でお世話になりました。大学には派遣研修カリキュラムがあり、こちらからOB・OGが所属する診療所・歯科医院に行くことができました。そしていよいよ昨年4月に、患者さんにじっくり向き合う診療を実現したくて開業しました。
北山田を選んだ理由ですが、勤務医時代から住んでいて地域の事情がわかっていたためです。比較的若い世代の家庭が多い…つまりお子さんが数多く住んでいらっしゃることが一番の理由なのですが、診療をしていくうちに住民の方の「健康意識」の高さに驚かされるようになりました。

診療方針について教えてください。

まず予防診療を第一に考えています。歯を抜く治療をすれば口野中の構成が変わりますし、削ったりすることでも歯には多大なダメージを与えます。特に虫歯の治療では健康な部分も削っていきますから、歯はどんどん小さく弱くなってしまいます。ですので、歯をどのようにして温存していくか….これを課題に診療に当たってきました。予防診療に最も有効なのは日常の歯磨きですので、指導にできるだけ時間を割いています。歯垢をはじめとする口の中の汚れは、歯と同じ「白色」で鏡では見つけづらいという難点がありますので、「磨き残し」を赤く染め出し数値化して示します。こうすることで患者さんの注意喚起につながり、結果的に正しい歯磨きを励行していただくことになります。「歯磨きトレーニング」のときは歯科医師と患者さんの役割分担をそれぞれ説明し、患者さんには日常どのようなケアをすべきか意識していただくようにしています。
虫歯がある場合は、この虫歯のためにどの程度健康な歯を削るか常に計算しています。できるだけ健康な部分を温存するため、小さな虫歯であれば3ヶ月に1回のメンテナンスで経過を見て必要に応じて削る治療をしていきます。ここで日常の歯磨きをきちんと続けていけば、虫歯の進行は遅らせることができますので、削る頻度も低くなるというわけです。

歯軋りの癖から歯を守る治療を勧めていらっしゃるそうですが、これについて教えてください。

患者さんの中には、無意識に歯軋りをしたり食いしばったりする癖をお持ちの方がいらっしゃいます。これを「ブラキシズム(Bruxism)」と言うのですが、こうした癖も歯を傷める一因になることがわかっています。そこで当院では、歯を保護するマウスピースをお勧めしています。聴きなじみのない言葉ですから最初はあまり受け入れられませんでしたが、院内でディスプレイやポスターを表示するようになってからは、1割くらいの患者さんがマウスピースの必要性を感じてご相談されます。ただし就寝時に装着するので、抵抗がある方、うっかり忘れる方もいらっしゃいます。“歯を守る”モチベーションがないと、ついさぼってしまうのですが、時間が経つとマウスピースの形が合わなくなり使えなくなってしまいます。費用は6000円程度で、ずっと装着すれば4-5年は持ちます。日々ご自身の癖でお悩みで是非治したいと考えられている患者さんは、ご検討ください。

「お口の健康」について、先生のお考えをお聞かせください。

口は「健康の入り口」です。入った食べ物を咀嚼して体内に取り込むための大切な場所です。ですので、歯とかみ合わせはまず食べるという行為において大切です。歯の有無で摂取できる食べ物の質は変わります。硬いものほどたんぱく質が摂れバランスのよい食生活が営めますが、歯の機能が不十分であれば硬いものを避けるようになりますので、バランスは悪くなります。やわらかいものほど炭水化物を多く含む傾向があり、これが肥満症など成人病のリスクを高めます。便宜上食事はできますが、その質は悪くなります。

診察で心がけていることと、地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

心がけていることは、患者さんの立場で治療することです。もっともわかりやすい例が麻酔なのですが、「注射の痛み」と「治療の痛み」の感じ方は患者さんによって異なります。「治療の痛み」に耐えられる方にとっては、麻酔注射自体が苦痛になります。その場合は当然、麻酔をしません。一番気を遣わなくてはならないのが、痛みの感受性が強い患者さんです。当然治療の痛みに耐えられないはずなので注射が必要になりますが、苦痛を与えないために、針を刺す角度、強さ、打ち方についていろいろと研究を重ねてきました。ポピュラーなやりかたは、先に歯肉の表面に麻酔を塗布し、麻痺してきた頃に注射する方法です。そのほかにも選択肢はありますから、患者さんの性格に応じて使い分けています。また、治療の程度も麻酔の是非に影響しますね。地域のみなさまには、まず「予防・審美」の目的でいらしていただきたいと思います。幼少期に辛い経験をされた方ならなおのことですが、歯科医院は敬遠されがちな場所です。しかし健康を守る上で大切な場所ですので、もっと気軽に利用していただけたらと思います。当院には審美や予防のための個室を設け、治療のスペースと分けています。こちらはリラックスもしていただける空間にしました。ホワイトニングや矯正しない程度の歯並び整備など、美容目的での利用もひとつご検討ください。矯正治療をやりたいが、敷居が高い….とお悩みの患者さんにも、部分矯正(全体矯正と比べて1/4程度の費用で済みます)などさまざまなバリエーションをご紹介できます。
休日にはご家族でいらっしゃる方も多いです。お子さんにはプレイルームで遊んでいただきながら、歯を点検させていただいています。歯医者に慣れ、自ら進んで治療台に座れるようになると、うれしいですね。

※上記記事は2014.3に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

おおいし歯科クリニック 大石 直輝 院長

おおいし歯科クリニック大石 直輝 院長 NAOTERU OHISHI

おおいし歯科クリニック 大石 直輝 院長 NAOTERU OHISHI

  • 好きな本・愛読書: 専門書
  • 好きな映画: サスペンスやSFなど。
  • 好きな言葉・座右の銘: 「麗澤の契」 高校の校長先生から教えていただきました。「たくさんの川が流れ込んで沢を潤すように、人と人が集まってチームワーク全体が助け合って発展していく」という意味です。
  • 好きな音楽: クラシック音楽
  • 好きな場所・観光地: センター北、みなとみらい、元町など横浜のこじんまりした街。
  • 生年月日: 1978年2月16日
  • 出身地: 神奈川県
  • 血液型: A型
  • 趣味・特技: 音楽鑑賞、映画鑑賞

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