インタビュー/田中 彰レディスクリニック

田中 彰レディスクリニック 田中 彰 院長

田中 彰レディスクリニック 田中 彰 院長 AKIRA TANAKA

大学卒業後、産婦人科を専門に研鑽を積む。2006年、「センター北駅」そばに開業。

産婦人科医を志したキッカケとここに至る経緯についてお聞かせください。

「おめでたい」からです。病院の中で「おめでとう」を繰り返し言えるのは産婦人科だけだと思うんです。
妊娠された方は結婚式と同じだと思っています。入場してきておめでとう!ケーキ入刀でおめでとう!お色直しでおめでとう!何度でもおめでとうなのと同じで、妊娠反応がでておめでとう!赤ちゃんの入っている袋(胎嚢)が見えておめでとう!胎児心拍が見えておめでとう!出産おめでとう!なんです。
妊娠中は幸せな反面、何気ないことが赤ちゃんに影響するんではないかと心配になりがちです。ここへ来てその不安を消して、幸せな気分だけになっていただきたいと思っています。
私はしつこいくらいおめでとうって言いますから(笑)。

開業医をしていた叔母の影響もあり中学3年生の時に医師になろうと思うようになりました。
大学病院や赤十字病院の勤務を経て、ここ横浜に田中彰レディスクリニック(2006年開院)を開院してから4年が経ちます。30年近く産婦人科に携わってきて思うことは、この仕事ほど嬉しさと責任の重さの大きな仕事はないということです。
お産の時は二人の命を同時に見なければならない。どちらも具合が悪くなってはいけないんです。最初に医師になろうと思った頃、中学生の時は想像だにしてなかったことです。

インフォームド・コンセントについてお聞かせください。

当クリニックでは説明と患者様の納得もなしに何事もおこなうことはありません。患者様が納得しなければ、それは医師の言葉が足らなかったということ。子どものお使いと同じです。医学用語だけを並べてもそれが患者様の心に届かなければ意味がないのです。

電子カルテなのにボールペンが減る量がすごいんです(笑)。患者様への説明を紙に書くんですけどそれが結果的にすごい量になるんです。プリントアウトしたもの、印刷したものをお渡しして読んでくださいというのは簡単です。それで患者様が理解してくれるのであれば。
私はその場で順を追って書くようにしています。そうすることで患者様が紙のどこを見たらいいのか、わからないということがまず無くなりますので。説明の道筋が見えやすいからです。

真っ当な医師でありたい、なりたいなと思っています。何かにすごく長けてるとか、神の手だとか、そういうことではないんです。ご本人やご家族の意向を十分に踏まえた上で、患者様の心、身体の状態を的確に把握し、必要最低限の処置をもって必要最大限の診療をおこなう。当たり前のことをやる。そんな真っ当な医師でありたいと思っています。

診療をおこなう際、心掛けておられることについてお聞かせください。

手間を惜しまないということです。開業から年数も経ってきて患者様も増えてきました。でも、そこで手間を惜しんだら、全てが無になってしまいます。エンドレスで待っていただける患者様もいらっしゃいますが、どうしても時間的な制限が出てきます。でも、それで目の前の患者さんを疎かにするようなことがあってはならないんです。

当クリニックは横浜市子宮がん検診の指定医療機関です。子宮頸がん・体がんの両方の検査を同時におこなっています。このうち、子宮体ガンの検査は「痛いから」と敬遠される方がいらっしゃいます。
確かに軽い痛みを伴うこともありますが、当クリニックでは子宮内に検査チューブを挿入する際に工夫をしていますので、懸念されるような疼痛(強い痛み)はまず無いと思っています。
子宮は湾曲があるものなんです。真っすぐではない。曲がっているのに真っすぐに挿入しようとすれば当然痛みを伴うことになります。ではどうすればいいのか。あらかじめ曲がる方向を確認し、その通りに挿入すればいい。内診で確認したり、先に超音波検査をおこなうことで方向を間違えないようにするのです。
絶対に手間を惜しまないということ。そのことは肝に銘じています。

キッズルームについてお聞かせください。

当クリニックのキッズルームはお子さんが転んでも怪我をしないようコルクタイルを使用しています。また飲み込めるサイズのものや叩くものを置かないようにしています。木琴とかあると楽しいとは思うんですが、どうしても振ってしまいますので。私が子どもの頃そうでしたから(苦笑)。自分の子どもが怪我をするのも嫌ですが、ましてそれがよそ様のお子さんだった場合、謝っても謝りきれることではありません。お子さんやお母さんに快適に過ごしていただくための当然の配慮です。

当クリニックには妊娠中の方、不妊症の方、更年期で悩んでおられる方など、ある意味、対極にある状況の方がお見えになります。大概の産婦人科ではそういった様々な状況を抱えられた方が、同じ空間で時間を過ごすことが普通になっています。ですがこれは、それぞれ立場の違う方の精神的なことを考えますと好ましいものではありません。当クリニックではお互いが遠慮されずにすむ環境を提供できるよう、考えられる限りの配慮をしております。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

最近は分娩する場所を見つけることに苦労される方も多く、お産のカタチもますます多岐に渡ってきています。情報が氾濫する現在、逆に誰にも相談が出来ず一人で悩まれている方が非常に多いと感じています。当クリニックでそのお悩みを話してみてください。対話をしながら『患者様が求める答え』を一緒にお探しすることを考えて診療をしてまいりたいと思っております。
当クリニックで妊婦検診を受けた患者さんで、学生結婚をされた方がいらっしゃいました。
その方は、最初こちらにいらした時は子どもを産むかどうするか悩んでいました。本当は産みたいんだけど、どう考えても出来そうにない。ご両親にも言えずにどうしたらいいのかわからないと悩まれていたのです。
その方はいま、2人目の妊婦検診で、お子さんと一緒にこちらにいらしてくださってます。「先生の言葉は神様みたいな声だったんだよ。もうあの時は困っちゃって。赤ちゃんが出来て幸せな気持ちと、でもどうしたらいいの?っていう気持ちがゴチャゴチャになってしまってて。その時に先生が全部わかるように説明してくれて、整理してくれたから」そう言ってくれたことがあるんです。本当に嬉しいし、有り難いことだと思っています。

とにかくホッとしていただきたいんです。精神的にも肉体的にも。人の顔って、どんなに健康な人でも不安を抱えていると美しくありません。顔が、美人に見えないんです。ニコニコして気持ちが穏やかであれば、それはもう本当に美しい顔になるんです。

※上記記事は2010.7に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

田中 彰レディスクリニック 田中 彰 院長

田中 彰レディスクリニック田中 彰 院長 AKIRA TANAKA

田中 彰レディスクリニック 田中 彰 院長 AKIRA TANAKA

  • 好きな言葉・座右の銘: ありがとう
  • 好きな音楽・アーティスト: ビートルズ
  • 好きな場所・観光地: 横浜、京都
  • 出身地: 京都府
  • 趣味・特技: クルマ
  • 好きな本・愛読書: マンガ
  • 好きな映画: オールジャンル

INFORMATION