鈴木 店主（ごはんや こめいろ)のインタビュー

品種にこだわった土鍋炊きごはんとの衝撃の出会い

父親が蕎麦屋を営んでおり、蕎麦職人の背中をみて育ちました。でも、蕎麦屋を継ごうとは全く考えていませんでした(笑)。今でもそうですが、20年以上前から食べ歩きをすることが趣味で、色々なお店に足を運んでいました。そんな中で、知人に紹介されて白金台のプラチナ通りにあった「心米」を訪問し、衝撃を受けたのです。もともとお米が好きだったので詳しいつもりでいましたが、産地や品種によって味や食感、形も全然違うことを知り本当にびっくりしました！また、当時はまだ珍しかった土鍋炊きのごはんの美味しさに心を奪われてしまいました。
あまりの衝撃に、この店で働きたい！もっとお米のことを知りたい！と前職を辞めて見習いとして「心米」で修行をスタート。大将のもとで一から勉強を始め、お米の奥深さにすっかり魅了されていきました。

お米の美味しさを多くの人に伝えたいと開店を決意

修行を8年ほど続け「心米」でも店長として店をまかされるようになり、さらに別の店の立ち上げにも複数関わりました。色々なお店で責任ある立場で忙しくしていたのですが、やはり自分らしいスタイルで多くのお客様にお米の美味しさを伝えたいと思うようになり、出店を考えるように。かつて、センター北にあった「土鍋ごはん米三」で料理長を勤めていたことがあるのですが、その時はじめて横浜市都筑区を訪れ、街の雰囲気をとても気に入っていました。出店を具体的に考えるようになり、長い時間を過ごした東京ではなく横浜市都筑区に出店したいという想いで、店舗探しをスタート。お客様とちょうどよい距離感で接することができる今の店舗と出会い、センター北より少し落ち着いた雰囲気の中川に出店することを決めました。

手の込んだ料理でおもてなししたい

自分で納得した美味しいものをご提供したいので、野菜は朝から買い出しにいきますし、お米は信頼する農家さんから直接取り寄せたり、長い付き合いのお米屋さんから仕入れるなど、使う食材にもこだわります。私がこだわりの食材で作る料理は、家庭料理が中心です。家庭料理ではあるのですが、「手の込んだ」家庭料理。例えば、10種類の野菜を使ったきんぴらなど、ご家庭では少し手間と感じられるような部分にこだわり、丁寧にこつこつと作り上げています。また、「こめいろ」の顔でもあるお米についても、産地や品種にこだわり、常時4種類を準備。玄米で仕入れ、まず精米からスタート。しっかりと研いで、炊飯のために特別に取り寄せている水で浸水させています。ディナータイムには、お客様に品種を選んでいただき、30分ほどかけてこだわりの土鍋でお米を炊き上げて提供しています。ランチタイムはどうしても時間がかかってしまうため品種をお選びいただけませんが、こちらもこだわりのお米を土鍋で炊き上げたものを提供していますので、是非味わってみてください。

お米の品種ごとに感じる個性を店名に

店名の「こめいろ」は、お米の品種や産地ごとに、それぞれに色があるなぁと感じていたことから、十人十色ならぬ十米十色だなと思い名付けました。どの品種も同じ水、同じ浸水時間、同じ方法で炊き上げることで、品種ごとの味わいや食感の違いを感じていただけるようにしています。季節によってお米の品種の入れ替えもしていますので、違う品種も試していただき、お気に入りのお米と出会っていただけると嬉しいです。

大人の隠れ家として、地元で愛される店になっていきたい

お店は人通りが少ない場所にありますが、だからこそ私が目指している大人の隠れ家のような存在になっていけるのではと期待をしています。手の込んだ家庭料理を味わいながら、お酒を楽しんでもらう。土鍋で炊き上げたごはんを、ご飯にあうように作ったおかずと一緒に味わってもらう。自分のこだわりを感じていただきながら、お客様にはご自宅のようにリラックスして楽しんでいただきたいと願っています。お客様の口コミやご紹介で「こめいろ」を知っていただき、より多くの方にこだわりの土鍋ごはんを味わっていただきたいです。店内はお座敷スタイルの寛げる空間になっていますので、気軽に遊びに来てください。お待ちしています。

※上記記事は2023年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。